76:名無しNIPPER[saga]
2016/11/26(土) 01:10:31.18 ID:tRPk/B7zO
  
 少年は歯を食いしばった。 
  
 両親が道を開いてくれたのに、このままでは自分も妹も殺されてしまう。 
  
 じゃり…じゃり… 
  
 化け物の足音が近付く。恐怖で顔を上げることすら出来ない。 
  
 諦めたくはないが、諦めざるを得ない。 
  
 少年は妹を抱き締めた。 
  
 せめて一緒にと、そう思ったのだろう。 
  
 一歩、足音が近付く。一歩、足音が近付く。もう、すぐ其処にいる。 
  
 少年は一段と強く、妹を抱き締めた。 
  
 その背後でオークは嗤う。 
  
 そして、身を寄せ合う人間二匹に、躊躇うことなく棍棒を振り下ろした。 
  
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