80:名無しNIPPER[saga]
2016/11/27(日) 00:03:19.89 ID:FHyQmHZuO
  
 それが、堪らなく情けなかった。 
  
 この涙を止めるのは、この小さな手を引いて走るのは、妹を守るのは、兄である自分の役目だ。 
  
 最初から、そうするべきだった。 
  
 そうしていれば、何かが変わっていたはずだ。 
  
 死ぬことは避けられないとしても、もう少し生きる時間を引き延ばせたかもしれない。 
  
 腕の中にすっぽりと収まる幼い妹を抱き締めながら、少年は酷く後悔していた。 
  
 もし、もし次があるのなら。 
  
 絶対に妹を助けてみせると強く誓い、少年は涙を流す。 
  
 何があろうと決して諦めず、妹の為、家族の為に命を賭けて抗ってみせる。 
  
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