ほむら「Enemy=Me」
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2: ◆2DegdJBwqI[saga]
2016/12/15(木) 07:46:30.96 ID:KNqYHUYXo

M=f H=t



 私は、ほむらちゃんに飼われている。

 例えば、リードのついた首輪を取り付けられているわけでもなく、
玄関に続くレンガ敷きの小径とその脇を埋める芝生に面した前庭の掘っ立て小屋をねぐらとして与えられているわけでもなく、
ちゃんと人間的な扱いを受けた上で。

 それが、ひとりの人間を飼う、ということなのだ。
犬や猫、その他の生き物ではなく、ひとりの人間を。
たとえ飼われているのが、人間の真似事のための存在でしかないのだとしても、事情は全く変わらない。
 人間として、飼おうとするならば。
 ひとりの人間の、代わりとして。
 私はそのためにこの世に生を受けた。

 今日も緩みきった朝に目覚めた。
 夢を見ることはなかった。
 いつも通りの朝。
 以前、ほむらちゃんに訊いてみたことがある。

「どうして、私は夢を見ないの。私が、本物の人間じゃないから?」

 ほむらちゃんは、

「だって、夢を見る必要がないから」

 と答えた。




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