新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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16: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/03(火) 00:21:57.06 ID:5kzXp0UHO

一方、『経験の歌』で詠まれる、不定冠詞のついた少年は、このような「無垢」の状態にある少年とは対照的に、自立した性格を見せ、父親に挑発的な態度と言葉をぶつける。


《自分を愛するように他を愛する者はいませんし、そのように他を敬う者もいません。/また思想が自分よりも偉大な思想を知ることはできません。/父さん、どうしてぼくは自分以上にあなたを/また兄弟のだれかを愛することができるでしょうか。/ぼくはあなたを愛しています、戸口でパン屑を拾っている小鳥を愛するくらいには》


このふたつの詩にそれぞれ登場する少年が同一人物なのかどうか、『対訳 ブレイク詩集』を読んだ限りではわからない。しかし美波には、『無垢の歌』の父親の消失を嘆くしかなかった少年が、『経験の歌』の父親や家族といった制度に挑発的な態度を示す少年に時間をかけて変わっていったとしか思えなかった。




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