新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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165: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/04/23(日) 20:59:35.23 ID:5HbT9nK2O
佐藤「単純! 敵の想定する火力を上回ればいいんだよ。いま私たちが持てる最大火力で、圧し潰す」


田中は自分達の重装備を見ながら、武器を調達したとき佐藤が言ったことを思い出していた。田中はトランクに積み込まれた銃器の量に、こんなリスクを冒してまでして永井圭を助ける価値があるんすか、と佐藤に尋ねた。永井圭を人間側に差し出したのは、佐藤が仕組んだことだった。人間への憎悪を育み、殺人へのハードルを下げさせたうえで恩を売り仲間にする。少なくとも田中はそのような目論見だと考えていた。佐藤はトランクを閉めながら田中の疑問に、ないよ、とあっさりした調子で答えた。

最優先事項じゃあないんだよ、永井君の救出は。そのように言う佐藤に、田中は、やっぱりこの人はよく分からない、と正直な気持ちを起こした。


佐藤「小細工などいらない」


そう言う佐藤の声はあのときよりいくらか楽しそうだった。それについては田中も同様で、銃器の冷たい感触に密かに興奮していた。二人は別れ、田中はオグラ博士がいる地下の駐車場へ向かって歩いていった。佐藤も自分が担当する侵攻箇所まで歩き始めた。ストラップの付いたM4のグリップが右手で押さえられ、下を向いている。ストラップは左手にも握られていて、掌の中で折りたたまれ握られているそのストラップも火器に付けられたものだった。歩くたびに前後に揺れるその火器は、太い筒の形をした対戦車用の携帯火器だった。



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