新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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3: ◆8zklXZsAwY[saga]
2017/01/03(火) 00:04:25.47 ID:5kzXp0UHO

美波「あ、待って、圭」

永井「なに?」

美波「これ……今度発売されるCDのサンプルなんだけど」


美波は一枚のCDを差し出した。白い隊服に身を包んだ美波を先頭にして、同様の隊服を着たほかのアイドルたちと並んで、それぞれどこか別の方向を指差している。彼女たちの背後には光が差し込む巨大な扉があって、そこからは光とともに吹き込んでくる風があり、その風が美波たちの髪や服を翻している。そのような光景がCDのジャケットに印刷されていた。


美波「慧理ちゃんにはもう渡したの。圭にも聴いてほしくって」

永井「あの外国の人はいないんだ」

美波「これはラブライカとは別のユニットだから」

永井「ふうん」


圭の興味はCDを裏返したあたりで尽きた。


永井「あとで聴いておくよ」


それだけ言うと、圭は二階へ上っていって消えてしまった。弟との会話は、これが平均的な長さだった。ここ一年でかわされた会話では、これより長い会話も、短い会話も、美波の記憶にはほとんどなかった。弟の背中を見送りながら、美波は取り残されたような気持ちになった。




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