新田美波「わたしの弟が、亜人……?」
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435: ◆X5vKxFyzyo[saga]
2017/09/25(月) 20:42:43.22 ID:4fkctst+O

ーー午後二時三十三分から三十九分。


 高度一万フィート。そろそろベルト着用サインがオフになるというとき、佐藤が突然席をたった。佐藤は紙袋を手に通路をどんどん進んだ。


客室乗務員「お客様、ベルト着用サインがまだ……」


 客室乗務員は座席で身を捻り、通路を行く佐藤に声をかけた。佐藤は返事をしなかった。客室乗務員はトイレに寄るくらいなら別段問題はないだろうと思った。今日はフライトには最適の天候で、上空の気流は安定しており機体の揺れはほとんどない。乗客の数も平日の午後の時間帯の平均かすこし少ないくらいで、余裕をもって業務にあたれるだろう。客室乗務員は身体をもとの位置に戻した。

 佐藤はトイレの前を通り過ぎ、コックピットの扉の前に紙袋を置いた。身を屈め紙袋を破ると、佐藤は袋からバッテリー式の電気丸ノコを取りだし両手で持った。


客室乗務員「お客様?」



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