646: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/07/08(日) 21:23:52.48 ID:Wqc3ZOPPO
自動ドアが開き、裏口から永井が歩いて出てきた。顔に陽光があたったのか、足をとめて眩しそうに手をかざそうとしたが、光線はおもったより強くなく、永井はすぐにまた歩き出した。
永井がアナスタシアを見つけたのは、アナスタシアが二歩目を蹴り出したそのときで、光り輝く銀髪がぱっと持ち上がり、風に流されようとするその瞬間、アナスタシアは永井と眼があった。アナスタシアは驚きのあまり足を止め、立ちぼうけてしまった。
表情が伺えない遠くからでも、永井がしかめっ面をしていることがアナスタシアにはわかった。かりに舌打ちでもしたら、そのこともわかったし、「チッ」という音が実際に耳にしたときのように再現されただろう。
永井はアナスタシアを無視してふたたび歩き出し、横付けされている車のほうへ向かっていった。
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