962: ◆8zklXZsAwY[saga]
2019/08/18(日) 21:05:26.67 ID:TPJ777ywO
法務教官に案内された面会室はドラマや映画によくあるようなアクリル板はなく、取調室のような圧迫感もない、かなりの広さを持った白い壁紙と床に包まれた清潔な場所だった。照明は十分に明るく、また入り口はガラス戸で外から見えるようになっていた。ガラス越しに法務教官たちが働いている様子が見えた。特別に職員用の会議スペースを今回の面会のために使用させてもらったのだ。
五十くらい法務教官はしばらくお待ちくださいと言い残し、部屋から出て行った。その際、飲み物を用意するよう二十歳過ぎの若い職員にむかって言った。
まもなくお茶を出され、一礼する。しかしお茶に手をつけずに三分ほど待っていると、さっき案内してくれた法務教官が少年をともなって戻ってきた。
美波は顔を上げて、少年の顔をまじまじと見た。
美波「海斗くん……」
海斗「おひさしぶりです、美波さん」
そう言って、海斗は椅子に坐った。
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