俺ガイルSS 『思いのほか壁ドンは難しい』 その他 Part2
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494:1[sage]
2017/03/30(木) 02:40:59.57 ID:vylvFlXW0


結衣「あたしは、自分の気持ちを正直に伝えたよ。だから、だから次はヒッキーとゆきのんの番」

八幡「 …… そうだな」


結衣「ねぇ、正直に答えて? ヒッキーはゆきのんのことが好きなの?」

八幡「 ……… ああ」


その問いに対する答えは、素直に俺の口から滑り出ていた。ここで今更嘘をついても意味がない。
そんなことをすれば、由比ヶ浜の覚悟を、彼女の誠意を踏みにじることになってしまう。


結衣「 ……… あたしのことは?」

八幡「 ……… 好きだよ」


結衣「 ……… でも、あたしよりもゆきのんの事が好きなんだよね?」

八幡「 ……… すまん」


謝ってどうにかなる問題でもない。そもそも謝るべきものなのかどうかすらも判然としない。それでも俺は謝る事しかできない。
それが偽善だとわかっていながら、それが彼女を更に傷つけるとわかっていながら。

同時にその言葉は俺自身にも深い傷を負わせる。
だが、その傷は己にだけには正直であろうとあり続けた俺が唯一、自分自身に吐きつづけた嘘に対する代償であり、俺の支払うべき代価なのだろう。


結衣「あたしの方が先にヒッキーのこと好きになったのに …… 」

八幡「 ……… 先とか後とかの問題じゃねぇだろ」

結衣「 ……… そうだね」


こみ上げてくる嗚咽を無理に飲み込み、流れ落ちようとする涙に堪えようと天を仰ぐ。歪んだ視界に天井の照明が滲んで見えた。




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