永琳「あなただれ?」薬売り「ただの……薬売りですよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/05/22(月) 22:17:29.28 ID:3uu0rWtyo
【満】
うどんげ「止めないの?」
薬売り「止める必要がない……貴方がモノノ怪ではないのなら、どこで何をしようが貴方の勝手」
うどんげ「冷たい奴。こういう時は、社交辞令でも止めるフリくらいはするものよ」
薬売り「それに……自信がないのですよ」
うどんげ「自信?」
薬売り「あっしにはどうも……兎の脚に追いつける自信がありませぬ」
それは何も心のあり様の話ではない。実際問題無理なのだ。
一度逃げ始めた兎を捕らえる事は、本当に至極困難である。
と言うのも――――単純に”速い”のだよ。
うどんげ「頼りない奴……ほんとに大丈夫なの?」
うどんげ「あんた……言ったわよね? ”モノノ怪は必ず斬る”って」
知っておるか? 兎は時として、馬よりも速く駆けるのだ。
さもあれば、人の脚程度では到底追いつけぬ速さである。
「脱兎の如く」の語源は、まさにそこにあるのだ。
そんな兎の脚を止めるには、何か別の手段が必要となろう。
そうじゃな……まぁ、強いて言うならば、だ。
「罠を仕掛ける」事。それが一つの、定石であろう。
薬売り「ええ……斬りますよ、モノノ怪はね」
うどんげ「だったら……モノノ怪を斬り終えた暁には……」
玉兎は、言伝を頼んだ。
それはモノノ怪が去りしこの地にて、残されし者への”声明”であった。
玉兎はその身に宿せし思いを、こう言い表した。
「永遠は終はらず」――――。
自分が逃げ続ける限り、亭の永遠は潰える事はないと言う意である。
薬売り「確かに……承りました」
うどんげ「……はぁ、あたしもヤキが回ったわ」
うどんげ「あんたみたいなうさんくさい奴にしか、こんな大事な頼み事をできないなんて」
モノノ怪を斬るのが薬売りの仕事なら、亭を守るのが玉兎の仕事。
一見なんら関係のない責務であるが、両者の利害が一致しているとあらば、手を組まぬ道理はない。
しかし玉兎からすれば……まぁ、やはり不安であろうよの。
手を組む相手が、どうにも”うさんくさすぎる”。
【夜八つ】
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