('A`)はベルリンの雨に打たれるようです
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17: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/05/08(月) 12:51:19.41 ID:N84Ou5maO

ヤパーヌ製の高性能防水傘さえあまり役に立たない大雨の中で、しかしながらフランス広場は傘を広げた多くの人でごった返す。

('A`)「………おぉ」

そして、その人混みが納得できる程度には確かに“その眺め”は荘厳だった。

ブランデンブルク門へ向かって伸びる石畳の道路、その両脇にパンフレットと全く同じ構図で並ぶ歴代のドイツ軍戦車。

最も手前にはドイツ軍が世界に誇る、“最強の戦車”ケーニッヒ・ティーガーと第一次大戦時にの最初の戦車であるA7V。この二台を先頭に、優に30は越えるであろう戦車・軽戦車・自走砲が門へ向かって鎮座する。
最奥、門のすぐ手前では超重量戦車マウスとカール自走臼砲が巨躯を晒し、あえての演出なのか砲を広場へ入ってくる人々に向けていた。

門の上に鎮座する、おそらく大昔の王様と思われる馬車に乗った銅像の存在も併せれば、雨靄の中に悠然と佇む戦車群はまさに“精強な騎士団の整列”だった。

会場周囲は万一の車両の誤作動やテロを警戒してか、ドイツ陸軍の顔も知らぬ同僚達が一個小隊ほど警戒の任にあたっている。
とはいえ景観への配慮からか身につけているのは全員Reichswehr時代の軍服だ。邪魔になるどころか彼らの存在もまたこの眺めの重厚さを増すのに一役買っていた。

ξ*゚听)ξ「────Tr?s bien」

隣で、恍惚とした表情を浮かべてツンが呟く。

TBLの試合をニュースで追う程度の関心でしかない俺でもこの光景には圧倒されているのだから、実際に戦車と関わり愛着を持っている人間からすれば例え他国のものであっても相当な感動を受けるに違いない。

ξ*゚听)ξ「アーーー……アーーーっ!!

ドク、もうちょい近くで見るわよ!行くわよ!!」

('A`)「ぉK、落ち着け。この雨の中ですっ転んだら悲惨だぞ」

興奮状態のツンにほとんど引きずられるようにして、俺は門の方へと向かう。正直一緒に居るのが少し小っ恥ずかしくなるぐらいのはしゃぎようだが、幸いどいつもこいつも居並ぶ戦車達に釘付けだ。

まぁ、せっかく来たんだし少し見て回ろう。そう考え直し、顔を上げ────




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