森久保乃々「ええっ。もりくぼ以外、もりくぼじゃないんですけど」
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87: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/19(水) 23:14:07.22 ID:tq8aLlEv0
「もりくぼは、できる」

いつのまにか、夢中になって、自分自身に、いえ、『鏡に映る少女』に向かってできる、できる、やれる、大丈夫などと声をかけていました。
「できる、できる、できる……」

以下略 AAS



88: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/19(水) 23:14:48.78 ID:tq8aLlEv0
〜〜〜〜〜〜〜
いつまでも女子トイレにいる私に心配がる2人をどうにか先に帰して、今日も仮眠室で森の中へ行こうとしました。
親には遅くなることを伝えてあります。

もしここで泊まりになっても、此処から学校へ行けばいいだけの話です。
以下略 AAS



89: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/19(水) 23:15:37.58 ID:tq8aLlEv0
両手を合わせるように光を包み込み、光の動きたいがままに開放してやります。

降り立ったのは、少しの銀色の針が残る芝生が茂る小高い丘でした。

森は、前に来たときとあまり変わっていませんでした。
以下略 AAS



90: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/19(水) 23:16:08.02 ID:tq8aLlEv0
それらを祈りで消すことは森の中でもかなりの重労働でした。
木の質感を手触りで確認したり、金属を手で取り除いたりしていると、時間なんてあっという間に過ぎてしまいます。
木を一本元に戻すのに何分もかかるんですから、森を元に戻そうとしたら直ぐに現実に帰されてしまいます。

森久保は観念して、その金属を制御できないか試みました。
以下略 AAS



91: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/19(水) 23:16:58.47 ID:tq8aLlEv0
が。

案の定金属が邪魔をして森を動かすことができません。
金属が引っかかっていて、木々の動きを完全に封じているか、
緑色の筋を完全に断ち切られてしまった木もあるようでした。
以下略 AAS



92: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/19(水) 23:17:48.87 ID:tq8aLlEv0
では金属たちは操れるのか?
緑色の筋を手繰っていくと、私の後頭部から明らかに髪ではない何かの糸のようなものをつかみました。

直感的にこれが金属たちを操るスイッチだと確信しました。
引っ張ってみると、木にブロック状に寄生していた金属たちが同じ面をこちらに向けて回転し始めました。
以下略 AAS



93: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/19(水) 23:20:41.28 ID:tq8aLlEv0
両の手指10本から伸びる緑の糸は光を伴いながら繋がる先を森からもりくぼ自身へと変えていきます。

ああ、緑色が私に流れ込んでくる……

目をつぶっても緑の風、水、旗が私を覆ったり撫ぜたり浸したり。
以下略 AAS



94: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/19(水) 23:21:17.32 ID:tq8aLlEv0
緑に飲まれかけながら自意識を森に固定したもりくぼは両の足で芝生と銀の針を踏み砕いて地面に降り立ちました。
指に残る感覚と後頭部の感覚が接続されているのがわかります。動かしてみましょう。

金属たちが、それはまるで最初から私のものだったかのように振る舞い始めました。
木から離れたり、ブロックの形であることを諦めたり、砕け散ったりしています。
以下略 AAS



95: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/19(水) 23:21:49.73 ID:tq8aLlEv0
工場さん、工場さん。あなたはそう呼ばれることを望みますか?

木から遠慮がちに離れた、ちょっと錆びた煙突から蒸気が勢いよく噴出します。

工場さん。これからよろしくね。それから森さん、これからは工場さんと一緒になるけれど、大丈夫?
以下略 AAS



96: ◆t6XRmXGL7/QM[sage saga]
2017/07/19(水) 23:22:46.47 ID:tq8aLlEv0
凛さんたちと抱擁を交わしている間、白い扉だけでなく、黒い扉の方にも変化が起きているのに気づきました。

なんだろう。と、黒い扉に手をかけると。


以下略 AAS



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