31:名無しNIPPER[saga]
2017/05/28(日) 21:38:41.77 ID:iuwd4mISO
頬を撫でる風、屋根叩く雨音。
何処までも続く空、煌めく星の川、満ち欠ける月の姿、照り注ぐ太陽の温もり。
遠いあの日には当たり前だったものを、再び感じられるかもしれない。
この部屋から出ることなんて出来やしないのに。
『でも、俺がきみだったら……』
『退屈ってやつに殺される前に、外に出るよ』
彼は今頃、何をしているのだろう。
変わったニンゲン。おかしな泥棒。気さくな賊。
白馬の王子ではないけれど、わたしが求めていたものを届けてくれた人。
出来ることなら、また話してみたい。叶わないことだとは分かっている。
でも、もう一度だけ。もう一度だけ、あの扉を開け放って下さい。
もう、迷わないから。
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