1:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:32:18.41 ID:3uv3ojMy0
シリーズ整理  
 第1作 【モバマス時代劇】本田未央「憎悪剣 辻車」  
 第2作 【モバマス時代劇】木村夏樹「美城剣法帖」_  
 第3作【モバマス時代劇】一ノ瀬志希「及川藩御家騒動」  
 第4作【モバマス時代劇】桐生つかさ「杉のれん」 ここ 
  
 読み切り  
 【デレマス時代劇】速水奏「狂愛剣 鬼蛭」  
 【デレマス時代劇】市原仁奈「友情剣 下弦の月」
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:34:33.57 ID:3uv3ojMy0
 「おのれ本田未央! 
   
  貴様、どの面下げて美城に帰って来た!」 
   
 怒声を張り上げるのは、 
3:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:37:15.75 ID:3uv3ojMy0
 北条はがりがりがりと、刃で未央に迫った。 
   
 「はあ…」 
   
 未央は一寸ため息をついて、 
4:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 17:37:20.07 ID:9BdMPG0jO
 おっ、来たか 
 待ってた 
5:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:40:22.42 ID:3uv3ojMy0
 神谷は呆然とへたり込んだ。 
   
 北条も一瞬呆気にとられたが、 
  
 臆さずに斬り込んだ。 
6:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 17:40:51.00 ID:9BdMPG0jO
 あれ、友情剣ってこれから建てるやつ?探してもミツカラナイ 
7:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:41:56.81 ID:3uv3ojMy0
 かつての美城藩では、血を血で洗う派閥争いがあった。 
   
 家老2名が死亡、同心はほぼ壊滅、 
  
 有力だった武家の跡継ぎも、多くが命を落とした。 
8:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:45:05.99 ID:3uv3ojMy0
 顧客の奪い合い、人材の引き抜きは日常茶飯事。 
   
 剣客を雇い、互いに命を狙い合うことさえもあった。 
   
 この両家が美城で争うことになったのは、 
9:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:47:32.72 ID:3uv3ojMy0
 夜。 
   
 桐生つかさは屋敷でくつろいでいた。 
   
 旧木場家。かつては木場城と呼ばれ、 
10:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:48:50.79 ID:3uv3ojMy0
 積極的な郷愁。 
   
 夥しい死傷者を出した後でさえ、 
  
 町人達はかつての美城を守るつもりだった。 
11:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:50:02.01 ID:3uv3ojMy0
  この時の桐生には余裕があった。 
   
  材木の卸では桐生屋に1日の長がある。 
   
  北山、吉野、会津で土地を丸ごと買い上げ、 
12:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:52:10.25 ID:3uv3ojMy0
  しかし桐生つかさの余裕は、数日後崩れ去った。 
   
  杉を運んでいた廻船が、海上で沈没してしまったという。 
   
  財前屋の仕業だ。桐生は舌打ちした。 
13:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:54:29.34 ID:3uv3ojMy0
  翌日昼。 
   
 「ははーん。金持ちってのは、気苦労が多くて大変だな。 
   
  ほんと、貧乏に生まれてよかったぜ」 
14:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:56:17.92 ID:3uv3ojMy0
  だが、巷では凄腕の剣豪を 
   
  何人も抱えていることで有名だった。 
   
 「大人数を正面から相手できるやつは何人かいるんだが…」 
15:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:57:42.34 ID:3uv3ojMy0
 「して、桐生様。杉の方はどうされますか」 
   
 屋敷に戻ると、家来の1人が尋ねた。 
   
 「うん」 
16:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:58:24.53 ID:3uv3ojMy0
 「いや…」 
   
 桐生は珍しく、自信なさげに首を振った。 
   
 あの杉には手を出してはいけない。 
17:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 17:59:45.34 ID:3uv3ojMy0
 後日、木村屋から使いが来た。 
   
 身丈は4尺6寸。 
  
 はじめ皆は、童女が迷い込んだものと見間違えた。 
18:名無しNIPPER
2017/05/31(水) 18:01:51.05 ID:3uv3ojMy0
 「杉の原木を大陸から仕入れております」 
   
 その話は桐生にとって興味深いものだった。 
   
 だが同時に、疑わしいものだった。 
19:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 18:03:50.01 ID:3uv3ojMy0
  
 木村屋の杉によって、桐生屋は時間を稼ぐことができた。 
   
 しかし額が額ゆえに、手形での支払いをすることになった。 
   
20:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 18:05:19.19 ID:3uv3ojMy0
   
  桐生が家来達と木村屋から出ると、 
   
  長髪の女が外に立っていた。 
   
21:名無しNIPPER[saga]
2017/05/31(水) 18:06:26.23 ID:3uv3ojMy0
 「言いがかりつけてきやがって…」 
   
  桐生はぼろぼろの襟を直して、屋敷に戻ろうとした。 
   
  すると、今度は商屋の中から財前の怒鳴り声が聞こえた。 
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