恵美「あの人と、結婚した。」
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2: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/06(火) 21:34:51.14 ID:T5tfdE0X0
それからの毎日はまるで、それまでの人生が白黒の世界だったかの様にキラキラ輝き始めた。どんな時も、何をするにも彼と一緒。それだけなのに、世界が違って見えたの。

アタシが悲しい時は彼が慰めてくれて、彼が辛い時はアタシが慰めてあげる。アタシに良い事があれば彼に伝えて二人で喜んで、彼に良い事があれば教えて貰ってアタシも喜ぶ。


以下略 AAS



3: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/06(火) 21:36:03.05 ID:T5tfdE0X0



…でも、今は違う。全っ然幸せなんかじゃない。多分、今が人生で一番辛いよ。誰か助けて…

以下略 AAS



4: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/06(火) 21:37:43.39 ID:T5tfdE0X0
泣いて泣いて泣きはらして、何回も強く擦り過ぎて目が痛い。あんまり眠れてないせいか、体が重い。なんにもやる気にならない。胃に重い物を無理やり詰め込まれたような気分。これ、考えうる限り最悪な状態ってやつ?


アタシ、もうこんな毎日耐えられない。もうやだよ…



5: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/06(火) 22:23:18.27 ID:T5tfdE0X0
数日前の話。


ガチャン、と玄関の扉を開ける音が聞こえた。

以下略 AAS



6: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/06(火) 22:24:02.58 ID:T5tfdE0X0
「しゅ、出張…?」

受け入れがたい事実を聞かされたアタシは、Pからカバンを受け取ろうとした手を伸ばしかけた姿勢のままフリーズしてしまった。

「それって、どれくらいの期間なの…?」
以下略 AAS



7: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/06(火) 22:24:37.63 ID:T5tfdE0X0
それから数日後の早朝。


「忘れ物はない?大丈夫?」

以下略 AAS



8: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/06(火) 22:27:07.16 ID:T5tfdE0X0
どちらからともなく、見送りの時に通るいつもの道をいつもより遠くまで、いつもよりゆっくり歩く。すぐそこまで迫ってきてるその瞬間を、少しでも遠ざけるかのように。

けど、やっぱり現実を見なくちゃいけなくて。

「もうこの辺でいいよ。ありがとう」
以下略 AAS



9: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/06(火) 22:27:46.78 ID:T5tfdE0X0
「すぐ帰ってくるから、良い子にお留守番してるんだぞ?」

Pが今起こった事を誤魔化すかのようにニヤニヤしながら、アタシの頭を撫でてからかうような口調で言った。…あ。湿っぽくならないように、元気づけようとしてくれてるのかな?よぉし、それなら。

「もー、子供扱いしないでよねっ!アタシもうオトナなんだから!お酒だって飲めるもんね!ばーかばーか!」
以下略 AAS



10: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/06(火) 22:28:50.29 ID:T5tfdE0X0
愛の言葉を貰った時の幸せなお熱が冷めたのは、意外とすぐの事だった。帰宅してからの誰も居ない空間の静けさが逆に、うるさいくらいに現実を思い出させてくれたから。


どこを見るともなく食器を洗いながら、ぼんやりと明日からの事を考える。かといって考えが纏まる訳もなく。テレビはただ適当につけっぱなしにしてるだけだから、内容は全く入ってこない。いつもならそんな事しないけど、今はちょっと…ね。…注意してくれる人もしばらく居ないし。

以下略 AAS



11: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/06(火) 22:29:45.26 ID:T5tfdE0X0
今日はここまで。
それでは、おやすみなさい。


12:名無しNIPPER[sage]
2017/06/06(火) 23:29:29.53 ID:QuMo7+/aO
最近のミリマスSSは鬱系が多いなと思っていたが
これなら安心だな(慢心)


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