提督「君の笑顔」
1- 20
3: ◆kquYBfBssLZl[saga]
2017/06/08(木) 01:24:32.63 ID:v3JuC5BUO
瞬間、彼が立ち上がり、私の手首を鷲掴む。
あっという間に両手首を頭上に掲げさせた彼は、半ば叩きつけるようにして、私の身体を壁と自身の身体で押し潰した。
同時に唇を奪われる。獣のように激しく貪られる感覚。
無理矢理唾液を流し込まれ、粘膜を全て刮ぎ落とすかのように舌が口腔を這う。
喉の奥に、仄かなタバコの香り。
壁にぶつけた後頭部が痛み、呼吸が苦しくて思考が溶ける。
波の音と頭の中に響く水音が混ざり合って、脳が耳から流れ出ているようだ。
どれ程そうしていたのか、やがて脚に力が入らなくなった頃に、ようやく解放される。
惚けたまま彼を見上げると、バツの悪そうな表情に興奮を混ぜて、私を睨み下ろしていた。
耳の後ろに、ぞくりとした感覚がある。
両手首は捕らえられたままで、足は着いているものの、半分宙吊り状態だ。
見上げたまま、見下ろされたまま、唇を少し開いて、舌で誘う。
もちろん彼はそれに乗ってくる。
手首をそのまま持ち上げて、今度こそ本当に宙吊りになる。
肩と手首が痛んで声が漏れそうになるが、それよりも彼の方が早かった。
口の中で鋭い痛み。
突き出していた私の舌を、彼が噛んだのだ。
彼の唾液が傷口にまぶされて、少し沁みるけれど、そのどこか倒錯的な行為に、痛覚と同時に頭が痺れる。
五感の全てが彼に埋め尽くされて、私が私でなくなる感覚。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
12Res/6.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice