13:名無しNIPPER[sage]
2017/06/14(水) 11:25:20.50 ID:ZDD1pdCd0
これは今から二十年ほど前の話アルヨ
当時の私は10歳の無垢な少年だったアル
ぷくぷくとしたあどけない容姿に頭脳明晰眉目秀麗、博識で正義感が強く将来有望な少年だったアル
そんなワタクシは、父親の隠し持ってた青少年用の本を勝手に友人に売り捌いてしまい、怒り狂った父親から逃げるように家の外へと散歩にでてたネ
国の未来と宇宙の神秘に想いを馳せながら適当に歩いていたら、いつの間にか道に迷ってしまったアル。ワタクシが住んでいたところはマカオでもかなりの田舎だったから、あたりに雑木林やらなんやらがいっぱいだったネ
しかしワタクシは道に迷っても動じないアルヨ。常に腰を据え達観し、何があっても焦らず動じずが信条だったアル
なのでそのまま雑木林をブラブラと歩いてたアルが、急に視界が開けたアル
そこはあたり一面に深緑色の草原が広がり、蓮の浮いた綺麗な池の側には小さな一軒家があって、壮観だったネ
今でもあの光景は忘れられないアル。まるで極楽浄土へと迷い込んだ気分だったネ
そして、池の側に屈んで、池の水で手を洗う少女に気付いたアル
私は誘蛾灯に惹かれる蝶のように、フラフラと彼女に近づいていったアル
私が近づくと、彼女もこちら気付いたようで、驚いた顔でこっちを見たアル
驚いたのは私の方もネ。さっき何があっても動じないと言ったけど、この時ばかりは私も狼狽えたアル
何故なら彼女は、この世のものとは思えぬほど美しい容姿をしていたアルから
まるで太陽の光を拒絶したかのような真っ白な肌に、ほっそりとした顎
真夏だというのに長袖を着て長いスカートを履いていて、そこから覗く華奢な手足は、触れれば脆く崩れるようなガラス細工のようネ
その人間離れした容姿に、わかりやすく端的に予想通りのことを言えば、ワタクシは一目惚れしたアル
美しい少女に出会い一目惚れをして動揺したワタクシだけれど、彼女の方もまた、私を見て動揺した様子アル。きっとお互い、同じ気持ちを抱いていたアルネ
その証拠に、紳士的に声をかけて自己紹介してた後、二人で池に並んでとりとめのない雑談に耽っていたけれど、彼女はチラチラと私の顔を見ていたネ
そうして別れ間際、彼女は家の中に入って、この聖女の置物を私にプレゼントしてくれたアル
今日の出会いの記念に
けれどーーーーーー私の出会った事は、村の誰にも言わないでください。と
そんな、神秘的で儚い事を言う彼女と、私は別れたネ
家に帰ったら父親に顔の形が変わるほど殴られたアル
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