22:名無しNIPPER[saga]
2017/06/15(木) 00:01:03.26 ID:mk939Gpx0
  
  
 「ところで硝子さんは3歳以前の頃ならまだ聴覚が正常だったのですね。」 
  
  
 「ええ、娘がそう言っていましたから。 
 でも何かの影響で聴覚に異常を来たしてしまい… 
 だから八重子は心を鬼にして娘たちに接しているんです。 
 それを私がとやかく言うことなんて出来ませんよ…」 
  
  
 それから祖母は部屋の隅にあるモノを右京たちに見せた。 
  
 それは随分年季の入った子供用の玩具だ。 
  
  
 「お婆ちゃん、それお母さんが捨てるように言っていた昔の玩具じゃん。まだ持ってたの?」 
  
  
 「ええ、昔が懐かしくてどうしても捨てられなくてね… 
 今でもよく思い出すわ。硝子が木琴を楽しんで叩いていたもの。 
 それを結絃は面白がって見ていたわよね。」 
  
  
 その玩具たちを大事に抱える祖母。 
  
 それはピアノや木管、ラッパ、ハーモニカなどの子供用の玩具。 
  
 しかし恐らく余程粗末に扱っていたのだろうかその殆どがボロボロに近い状態。 
  
 それでも祖母はそれらをまるで宝物のように大事に取っておきたいようだ。 
  
 その後、石田の服を乾いたので西宮家をあとにして硝子から遅れること1時間。 
  
 右京たちは石田を車に乗せて彼が通う水門小学校へと連れて行った。 
  
  
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