25:名無しNIPPER[saga]
2017/06/15(木) 00:13:56.83 ID:mk939Gpx0
  
  
 「だから米沢さんがこういったモノを預けてくれたわけですね。」 
  
  
 右京は車の後部座席から米沢から預かった鑑識道具を引っ張り出した。 
  
 これなら硝子の補聴器を調べることが可能だが… 
  
 しかしそれでもさすがにこんな事態を想定されるとは 
  
 神戸は自分たちが事件を呼び寄せる死神扱いされても仕方ないなと思わずため息をついた。 
  
  
 「どうやら出てきましたよ。硝子さんと石田くん以外の指紋がベッタリと付着しています。」 
  
  
 「これで石田くんの証言は正しかったことが証明できましたね。」 
  
  
 補聴器から複数の指紋が検出されたことによりこれで一応石田の証言は証明できた。 
  
 やはり硝子のイジメはクラス全体で行われていたという証言は事実だ。 
  
 しかしそれでもまだ問題があった。 
  
  
 「ですが問題はこの指紋をどうやって子供たちのモノだと検証するかですね。 
 ご存知だと思いますが硝子さんにイジメを行った子供たちは小学生の児童に辺ります。 
 つまりイジメを行った子供たちの指紋を採取するには保護者の承諾が必要です。」 
  
  
 神戸が指摘するが児童への取り調べを行うには保護者の承諾が必要だ。 
  
 だがイジメの主犯である石田が既に犯人扱いされているこの状況で 
  
 他の保護者たちがそんなことを承諾するのかそこが問題だった。 
  
 しかも今回の件で動いているのは特命係のみ。 
  
 現状で近隣の所轄も動かない以上、子供たちの指紋を採取することは困難だ。 
  
  
 「いえ、待ってください。どうやらその問題も解決出来るようですよ。」 
  
  
 右京は8個全ての補聴器を調べながらそんなことを告げた。 
  
  
  
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