278:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 04:33:23.84 ID:smyUCZOA0
  
  
 ◇―――――◇ 
  
  
 音を立てて、海水が皆の足に掛かる。 
  
 8人が砂浜に立っていた。 
  
 波の音が聞こえる。船が海上を走る音が聞こえる。 
  
 遠くの方から誰かが笑う声が聞こえる。 
  
  
 千歌「もうすぐ、お盆だね」 
  
 また、勝手に私の口が動いた。相変わらず身体は動かない。 
  
 鞠莉「そうねえ……。盆踊り、楽しみね!」 
  
 果南「それが終わったら、もう地方予選だっけ。早いなあ」 
  
 千歌「……よかったのかな」 
  
 曜「え、何が?」 
  
  
 千歌「私たち、ここまで来て、よかったのかな。もっと、何かできることはなかったのかな」 
  
 梨子「……千歌ちゃん?」 
  
 千歌「えへへ、ごめんね。ちょっとだけ、考えちゃうんだ。もしもあの時、もしもこの時……って」 
  
 私の言葉を聞いて、皆は考え込んでいた。 
  
 相変わらず、覚えていない会話だった。 
  
 けれど相変わらず、既視感だけが強く残った。 
  
  
 果南「もしも、もしも、ね……」 
  
  
 「「「もしも、かあ……」」」 
  
  
  
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