【ミリマス】ザ・ミリオンオールスターズ! 〜銀河の果てまで届けちゃいM@S〜
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106: ◆Xz5sQ/W/66[sage]
2017/08/15(火) 10:25:31.23 ID:vWXpS0ty0
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 何事にも限界という物はある。体力然り、集中然り。

 もしもその二つが同時に途切れてしまうとどうなるか? 
 それは我らが天使がその身をもって示してくれた。

「っ!? エレナちゃん!」

 可憐の叫びが虚しく空に響き渡る。その危険を知らせる声は確かにエレナの耳に届いたが、
 それでも彼女は「どうにもできないナ」と一人苦笑した。

 そもそもの敗因は消耗だ。一人、戦いの矢面に立ち続けていたエレナの消費は普段の倍以上に激しく、
 とうとうモグランゾーの巨大な平手が、一瞬の隙をついて彼女の体を捉えたのだ。

 咄嗟に腕で受け止めるが、空中から地面へと、勢いよく叩き落とされるエレナ。

 モグラ獣の口から発せられるあの不快極まる鳴き声が、
 まるで「やったぞ!」と言わんばかりに打ち震える。

「えっ? あっ……!?」

 さらには、可憐も失態を犯していた。

 眼前で仲間がやられたことによる動揺で乱された精神では、
 自慢のサイキックパワーも安定しない。

 一瞬の気の緩みがそのまま髪の緩みにも繋がって、
 つかの間の自由を手に入れたモグランゾーは彼女の髪を掴むとそのまま勢いよく引っ張った。

 悲鳴と共に、可憐の体が宙に舞う。まるで紐の先に結んだ石ころのように振り回されて、
 あわや地面に叩きつけられようかというその刹那!

「『キネティック』ッ!」

 ザンと空気を震わす音がして、可憐の体が軽くなる。
 次いでふわりとした浮翌遊感と、耳元で囁かれる優しい声。

「間一髪、危なかったわね」

 腕に抱き留めた可憐を見下ろして、莉緒がパチリとウィンクを決めた。

「り、莉緒さん!」「話は後、とりあえずは退却しましょ!」

 そのまま地面に着地すると、莉緒は可憐を抱いたまま千早たちのいる方へと走り出す。


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