千歌「一番可愛い二人」
1- 20
30:名無しNIPPER[saga]
2017/06/28(水) 23:42:07.19 ID:JyFNE0ozO
おばさんが白い歯を見せて微笑んだ。

「可笑しいでしょ。今と全然変わらないの」

「ほんと」

私も顔を見合わせて笑った。
曜ちゃんが大事な事をはぐらかしちゃうのって、もしかして。
ううん、それはちょっと思い上がりかな。

「二人ともこの位が一番可愛かったわ〜」

「それって、今は?」

「……ふふ」

意味深な笑い。
あえてスルーした。
不気味だ。

「あ、これはね、小学校2年生の時」

紙を重ねて、折り目を伸ばす。

「この頃には、高飛び込みに興味持っちゃって、千歌ちゃんにも付き合わせちゃったわよね」

「千歌は、曜ちゃん見てるだけで楽しかったし、そんな」

楽しそうに、何かに打ち込む曜ちゃんを見て、私も何かしたいって思ったんだ。
その何かを見つけるのは、本当に難しかった。
ソフトボールは一応してたけど、胸を張って終われたわけじゃなかったから。
誰も続けなさいとか言わなかったし、止めなさいとも言わなかった。
ある程度上手くなった時に、途端に電池が切れたようにモチベーションが下がった。
どうしてか。ただ、曜ちゃんの真似をしただけだったから。
周りの子達がやるって言ってたから、面白そうだから。
やりたかったんじゃないんだ。
曜ちゃんに追いつきたかったんだよ。

「千歌ちゃん?」

「あ、えっと」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
65Res/36.54 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice