50:名無しNIPPER[saga]
2017/06/28(水) 01:55:29.85 ID:D97B4SZr0
 小さな頃から、私は両親に愛されていると理解していた。 
  
 あれが欲しい、と一言言えば、次の日には手に入っていた。 
  
 最初はそれが嬉しかったが、数年もすれば、退屈になってしまった。 
  
 そんな時、一冊の本を読んだ。 
  
 何の変哲もない、一海賊の手記をまとめたものだ。 
  
 気が付くと、彼がどんな冒険をしたのか、どんな島を見つけたのか、その全てが気になり、程なくして手記を10回ほど読み終えた。 
  
 読むだけでは、その好奇心は収まらず、父に直談判をしに向かった。 
  
 「大人になったら海賊になりたい!」 
  
 子供を危険な目に遭わせるのは、親なら誰もが忌避することだろう。 
  
 最初は反対された。 
  
 しかし、何度も交渉を続けた結果、ついに海賊になることを許されたのだ。 
  
 まぁ、いくらかの条件が課せられたのだが。 
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