【ミリマス】可奈「私の夢が始まった場所」
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1: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 20:00:17.71 ID:OXNr9JoL0

「志保ちゃんと〜、お出かけ〜♪ 一日いっしょ〜、嬉しいな〜♪」

 今日は久しぶりに学校もお仕事もお休みの日。
 だから志保ちゃんとお出かけ!

「相変わらずご機嫌ね、可奈」

「可奈は〜、ご機嫌〜♪ 志保ちゃんも〜、ご機嫌〜?」

「……ま、悪い気分ではないけど」

 えへへ、私、知ってるよ。
 こういう時の志保ちゃんの「悪くない」は「すごくいい」だってこと!

「志保ちゃん、楽しいねー!」

「まったく、まだお店にもついてないわよ?」

「志保ちゃんといっしょ〜♪ それだけで楽しい〜♪」

 ねー、と志保ちゃんの方を見てみると、ふいっと顔を逸らされてしまいました。
 照れてるんだー、かわいいー!
 何だかもっと楽しくなって、自然と鼻歌が出てきちゃいます。
 ふっふふ〜ん♪

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2: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 20:05:19.18 ID:OXNr9JoL0

「……可奈は本当に歌が好きなのね」

「うん! いつか、千早さんみたいな歌姫になるんだ〜♪」

以下略 AAS



3: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 20:10:08.08 ID:OXNr9JoL0


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以下略 AAS



4: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 20:10:34.26 ID:OXNr9JoL0


 私は、昔、歌うことがあまり好きではありませんでした。

 って言うと、みんなびっくりしちゃうかな?
以下略 AAS



5: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 20:15:08.03 ID:OXNr9JoL0


 ♪


以下略 AAS



6: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 20:15:46.74 ID:OXNr9JoL0


 この公園に立ち寄った日のことは、今でもよく覚えています。
 中学生になってすぐ、まだ着慣れない制服で、真新しい鞄を膝の上に抱え、私は一人でベンチに座っていました。
 一緒に部活を見に行こう、って言ってくれる新しくできた友達がいたんだけど、その日はちょっとそんな気分になれなくて。
以下略 AAS



7: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 20:22:36.82 ID:OXNr9JoL0


 ――泣くことはたやすいけれど――

 ――悲しみには流されない――
以下略 AAS



8: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 20:24:08.76 ID:OXNr9JoL0


 ――明日の行き先など知らない――


以下略 AAS



9: ◆0NR3cF8wDM[sage saga]
2017/06/28(水) 20:27:47.28 ID:OXNr9JoL0
すいません、続きは一時間後ぐらいに


10: ◆NdBxVzEDf6[sage]
2017/06/28(水) 21:11:57.24 ID:EIbcSHz80
心の歌姫だったね、そういえば
i.imgur.com
ミリオンBCでも昔の可奈書かれてたけどこんな感じで影響あったりするのかな
i.imgur.com
一旦乙です
以下略 AAS



11: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:33:34.10 ID:OXNr9JoL0


 ♪


以下略 AAS



12: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:34:09.31 ID:OXNr9JoL0


 みんなには内緒の楽しみができました。
 水曜は公園の歌の日!
 奥の噴水近くのベンチに座って、届いてくる歌にゆっくり聴き入ります。
以下略 AAS



13: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:38:22.33 ID:OXNr9JoL0


 最初は私だけだった秘密のコンサートも、少しずつ、本当に少しずつ聴きにくる人が増えていきます。
 私と同じ年くらいの子はもちろん、スーツ姿のサラリーマンっぽい人、スーパーの買い物袋を持ったお母さんっぽい女の人、仲の良さそうなおじいちゃんおばあちゃんのご夫婦、色々な人が私と同じように週に一度の歌声を楽しみにしていたみたいです。

以下略 AAS



14: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:39:51.65 ID:OXNr9JoL0


 ♪


以下略 AAS



15: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:42:43.96 ID:OXNr9JoL0


 変化に気づいたのは、いつだったっけ。
 明るい歌が増えたのが分かって、前と同じ歌を聴いても寂しさみたいなものをあまり感じなくなって。
 それまでは、どちらかといえば、俯いたり目を瞑ったりして静かに歌に身を任せる人が多かったんだけど、だんだん、顔を上げて身体でリズムを取りながら歌を楽しむ人も増えてきました。
以下略 AAS



16: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:46:41.00 ID:OXNr9JoL0

 私にとって大きな事件が起こったのは、そんな頃のことでした。
 合唱コンクール。
 どこの学校でもあるのかな? クラスで歌を歌って、一番を決めるっていう行事。
 誰かにとっては何でもないイベントで、誰かにとってはすごく楽しみなイベントで、誰かにとっては面倒なイベントで。
以下略 AAS



17: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:50:49.12 ID:OXNr9JoL0


 放課後。
 誰かに声をかけられる前に教室を飛び出した私は、気がつけば、いつもの公園、いつものベンチに向かっていました。
 その日はいつもの歌の日ではなかったけど、ここ数ヶ月間、私にとって一人になる時間というのは、ほとんどがその場所でのことだったから。
以下略 AAS



18: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:55:21.85 ID:OXNr9JoL0




「……あの、」
以下略 AAS



19: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:56:24.84 ID:OXNr9JoL0


 ♪


以下略 AAS



20: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:59:11.95 ID:OXNr9JoL0


「いつも、このベンチで私の歌を聴いてくれていますよね?」

 如月千早さん、っていうんだって。
以下略 AAS



21: ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 22:03:47.44 ID:OXNr9JoL0


 まとまりのない、自分でも何が言いたいのか分からない話だったと思います。
 でも、千早さんは隣にいて最後まで聞いてくれました。
 ただ静かに、私の悩みとも愚痴ともつかない話を受け止めてくれました。
以下略 AAS



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