20: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/07/01(土) 00:13:59.67 ID:47jOOTyu0
n年後、Pたち。
「…短い間でしたが、お世話になりました」
「ああ、もう戻ってくるなよ」
ほたるPが俺たちに深々と礼をする。
「ほたるPさんのモラトリアムももう終わりか〜」
イブPが寂しそうにそう呟いた。
『モラトリアム』、というのは『ルームシェア』同様俺たちルームメイトだけで通じる言葉の一つ。意味は『刑期』。本来の意味とはかけ離れているが、いつか誰かがいいだしたものがそのまま定着した。
「ありすPさんも、イブPさんも、モラトリアムもあと少しですよね、外で楽しみに皆さんの出所を待ちます」
「そん時は酒でも飲もうぜ」
「はい!」
俺は、数年ここでルームシェアを続けている。この数年で、いろいろなことがあった。いろんなやつと出会って、別れた。
その間に外の世界で起こったことは、ありすに教えてもらった。
CGプロに何人も新しいアイドルとプロデューサーが入ったこと。アイドルと結婚したPが何人かいること。そのうち、子供が出来たやつもいること。ドバイに渡ったやつもいること。睾丸を片方破裂させてしまったやつもいること。
数年で、外の世界もいろいろあったらしい。
俺は数年の間、ここでかつての知人友人達と一緒に生活してきた。
仮面ライダーみたいな改造バイクで公道を走って、普通に捕まった光P。
作品へのリアリティを求め、自ら望んで投獄された比奈P。
担当のためにと、持ち帰っちゃいけない外国のキノコを日本に持ち込んだ輝子P。
パワースポット巡りの為に監獄に来て、一日で帰った朋P。
なんやかんやで逮捕されたみくP。
担当からのアタックが強烈すぎて、安全地帯へ逃げ込むようにルームシェアをしに来た美優P、留美P、瞳Pの三人。
それ以上のアタックに心が壊れ、泣きながらルームシェアしに来たまゆP。
棟方愛海。
以下30人を超すルームメイトだった同志達。
でもみんな、もうモラトリアムを終え出所していった。
あの女性のアタックに悩む4人は、結局みな元担当と結婚したらしい。「結婚するのが、一番安全だと悟ったんでしょう」とありすは語る。
そうして残ったのは、脱獄常習犯の俺、性なるプレゼントイブP、医者が匙を投げ、女王が鞭を投げつけたドMの時子P、そしてこれから出所するほたるPだけ。
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