智絵里P「ちょっと恋愛相談に乗ってもらいたいんだけど」緒方智絵里「!?」
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2: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 21:11:43.94 ID:oFThaKWS0
カレンダーを三日ぐらい前に戻って、場所は事務所からちょっとだけ離れた喫茶店に移ります。

 レッスン終わりで嫌がる杏ちゃんに無理を言って一緒に来てもらった喫茶店は、私が知っているお店よりもだいぶ大きな音で有線放送が流れているせいなのでしょうか、私達ふたりしかお客さんは居ませんでした。

「えっ」「智絵里ちゃん担当プロデューサーさんから恋愛相談をされたの?」
以下略 AAS



3: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 21:13:30.14 ID:oFThaKWS0
「どうして?」

 プロデューサーさんに頼られるまで成長できたこと、そしてこんなダメな私をあんなに立派なプロデューサーさんが信頼して頼ってくれたことへの感謝の気持ちで私は胸がいっぱいで、そうやって少しだけ前に進めたことを杏ちゃんは私と一緒に喜んでくれるんじゃないかなって思ったんですけど。

「智絵里ちゃんが良いって言うなら杏が何か言うことでもないけどさぁ」
以下略 AAS



4: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 21:14:47.03 ID:oFThaKWS0
「ああー、うん。そういうことかぁ。人のことは言えないけど、智絵里ちゃんもあのプロデューサーさんもお互い恋愛経験がねぇ……」

 そういいながら杏ちゃんはあたまを抱えて机に覆いかぶさりました。

「もう、わかったよ。面倒臭いけど、相談に乗るよ」
以下略 AAS



5: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 21:17:08.24 ID:oFThaKWS0
「いくら練習だとはいっても、智絵里のことを他の女の子の名前で呼ぶことはできないよ」と、言ってくれたプロデューサーさんを、私はまずは杏ちゃんと相談しながら考えた喫茶店に案内しました。

 プロデューサーさんの役に立ちたくて考えていたアイディアをさっそく二つも失ってしまって、相変わらずの自分の駄目さに少し凹んでしまったけど、どうしてか体がぽかぽかするような気がします。

 夏の日差しのせいでしょうか。心臓がいつもよりもたくさん動いて、いろいろな言葉が頭の中にふわふわと浮かんできてしまって、まるで浮かれてしまっているようで恥ずかしくて。
以下略 AAS



6: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 21:23:50.28 ID:oFThaKWS0
 それから私たちはクローバーをイメージしたチャイムベルで遊んでみたり(プロデューサーさんは優しいので、私にベルを鳴らさせてくれました)。

 二人でメニューを眺めたり、注文したカラフルなゼリーポンチを前にしてなんとなく写真を撮るのを我慢したり、それをプロデューサーさんに見破られてちょっとだけからかわれたり。

 真っ黒なコーヒーに何も入れないまま口にするプロデューサーを眺めたり、「少し飲んでみる?」と誘われて、いきなりの間接キスにドキドキしていたらびっくりするぐらい苦くって、すこし泣いてしまったり。
以下略 AAS



7: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 21:25:41.70 ID:oFThaKWS0
「このお店、実はかなこちゃんに教えてもらったんです。今日は注文しなかったんですけど、本当はタルトがとても美味しいおみせなんです」

 きっと私たち二人じゃ食べ切れないんで注文しなかったんですけど、またこんど皆で来た時はきっと食べましょうね。

タルト、白ノワールぐらい大きくて、美味しくて、凄いんですって。
以下略 AAS



8: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 21:31:06.92 ID:oFThaKWS0
 智絵里がそこまで言うなら今日だけは見なかったことにしよう、と言ってくれたプロデューサーさんと一緒に、私は公園を歩いていました。

 「かなこちゃんはライブ前で、今はレッスンが大変な時期ですから……」

 いつだってお仕事に熱心なプロデューサーさんは、同じ事務所のアイドルが少し食べ過ぎているところを結果的に見過ごしてしまったことを悔やんでいるみたいで、どうやら少し表情に元気が無いように思えます。
以下略 AAS



9: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 21:35:39.12 ID:oFThaKWS0
 喫茶店から何分か歩いた教会の、たくさんの花で飾られた壁の前に私たちはいました。

 私と同じ年ぐらいだったり、プロデューサーさんと同じ年ぐらいだったり。

 いろんな年齢の男の人と女の人が壁の前に並んで写真を撮って、それから少し離れたところでスマートフォンを操作しています。
以下略 AAS



10: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 21:36:56.93 ID:oFThaKWS0
 「写真、撮らないんですかぁ?」

 そうやって、何をするでもなく二人で境界の前で記念撮影をしているひとを眺めていると、すぐ隣から聞きなれた声が聞こえてきました。

 「まゆも、ここでお友達とここで写真を撮ったことがあるんですよ?」
以下略 AAS



11: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 22:01:31.72 ID:oFThaKWS0
 「そんなに驚かれると、びっくりしちゃいます」

 少し大きな声でを出して吃驚してしまった私の口をやさしく人差し指で塞ぎながら、

「ここ、まゆの学校からの帰り道なんです」「そういえば智絵里ちゃんにはお話したことありませんでしたね」
以下略 AAS



12: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 22:03:14.97 ID:oFThaKWS0
 「ほら、とてもお似合いですよ。オフにお二人でデートなんて、まゆ、とっても妬けちゃいます」

 そう言ってまゆちゃんは私に、さっきまでに比べて何倍も重たくなったような気がする携帯電話を手渡してくれました。
 
 「貸一つですよ、代わりにまた今日のデートのお話、聞かせてくださいね。まゆ、とっても楽しみにしてますから」
以下略 AAS



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