緒方智絵里「あなたと過ごす、特別で怠惰な一日」
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2017/07/14(金) 14:48:06.04 ID:rHT/Celd0
 恐る恐ると智絵里は尋ねる。Pの目を真っ直ぐと見つめつつで。 
  
  
 それを聞くとPはばつの悪そうな顔をした後、後頭部を乱雑に掻き毟った。 
  
  
 「……一応言っておくが、胸だとかそういう部分じゃないぞ」 
  
  
 「は、はい。じゃあ、どこを……?」 
  
  
 「まぁ、目だな。智絵里の目をジッと観察したかったんだ」 
  
  
 お前の目を見ていたい。きっぱりとPは悪びれもせずにそう言い切った。 
  
  
 意外なその答えに、智絵里はきょとんとして目をぱちくりとさせた。 
  
  
 「あの、私の目なんて見て……楽しい、ですか……?」 
  
  
 「楽しいかどうかは分からないが……多分、良いと思った。だから、やってみたかったんだ」 
  
  
 多分、良いと思った。素直なまでの彼からの言葉。 
  
  
 確かに、楽しいかどうかはPの言う通りで分かりはしない。 
  
  
 けど、何となく……響きは良い感じに聞こえてしまう。 
  
  
 そんな風に、智絵里も思えてしまった。 
  
  
  
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