高森藍子「好きって言ってはもらえてない」【デレマス】
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1: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 19:59:17.56 ID:NHeiDHfz0
それはまだ、春には少し早いころ。


私は彼に好きだと伝え、彼は私にそうかと答えて。

私は彼に恋人になってほしいと伝え、彼は私にわかったと答えた。
 
そうして一組の恋人同士が産まれてから、一週間がたちました。

世界のほんの片隅の小さな小さな変化はたしかに、私たちの何かを変えたはずなのに。

私の目に映る範囲では、私には何が変わったのかわかりません。

決して夢でなんかありはしない。

それはちゃんとわかってる。

ただあの夜からあの瞬間から、彼の気持ちがほんの少しも分かりません。

彼のなにかに近づいたはずなのに、そのなにかから遠ざかってる気さえする。

この感覚が正しいかどうかすら自信がもてなくって。

ただ心の底にたまった不安だけが、確かでした。



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2: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:01:12.05 ID:NHeiDHfzo
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「お茶が入りましたよ」
以下略 AAS



3: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:03:34.95 ID:NHeiDHfzo
「ふう……ありがとう」

「いえいえ」


以下略 AAS



4: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:04:18.67 ID:NHeiDHfzo
耳を立てれば相変わらず、事務所のそこかしこから、今日もみんなの声がとどろいているのがわかります。

みんながみんな心のエネルギーを持て余してる、パッショングループのお部屋ですから、こんなのがいつもの当たり前。

だけどこうして私と彼がお茶をしていると、不思議とみんなは近づいてこないんだよね。
以下略 AAS



5: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:05:02.05 ID:NHeiDHfzo
「そろそろ外回りの時間か」

「はい、いってらっしゃい」

「おう」
以下略 AAS



6: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:05:34.35 ID:NHeiDHfzo
……ふと心に魔が差します。

私たち、恋人同士ですよね?

いってきますのチュー、します?
以下略 AAS



7: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:06:14.39 ID:NHeiDHfzo
「あーっちゃんっ!」

「ひゃあ! 未央ちゃん?」

「もー! いい雰囲気だったじゃーん? うりうりー、だらしない顔しちゃってさー!」
以下略 AAS



8: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:06:58.19 ID:NHeiDHfzo
「でもねでもね? あーちゃん、なんかすごいぽかった! 今のすごいぽかったよ!」

「ぽかったって?」

「すっごい熟年夫婦、っていうか? 心と心で通じてるって言うか…… 二人の世界? うん、二人の世界!」
以下略 AAS



9: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:07:26.01 ID:NHeiDHfzo
「藍子ちゃん? なんだかもしかして……」

「……あ、いえ」

「おなかが空いてます!?」
以下略 AAS



10: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:08:28.70 ID:NHeiDHfzo
「これこれ、藍子ちゃんはこれから衣装合わせっしょ?」

「え?」

慌てて、ぱらぱらと手帳をめくります。
以下略 AAS



11: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:08:55.24 ID:NHeiDHfzo
先ほど彼が消えていった出入り口を私もくぐり、彼の行ったであろう明るい外とは反対側、廊下の奥、佐藤さんの入っていった扉を見ます。

冷たいノブにそっと驚きながら、確かめるように力を込めて、開いて、閉じる。

これだけでもう、今日やらなきゃいけないことの全部が終わってくれていればよかったのに。
以下略 AAS



12: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:09:52.89 ID:NHeiDHfzo

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以下略 AAS



13: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:11:05.48 ID:NHeiDHfzo
「……はぁ」

「どったん?」

「あ、いえ……」
以下略 AAS



14: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:12:11.27 ID:NHeiDHfzo

言い訳にすらなれない言い訳は、苦しくって仕方ない。

こんな風にごまかしたりするのは苦手です。

以下略 AAS



15: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:13:24.87 ID:NHeiDHfzo

「いえ、プロデューサーは、別に……」

「そんな顔して何言ってるのさ。ほらほら、もうばれちゃったぞ〜。お姉さんに話してみなって☆」

以下略 AAS



16: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:13:52.76 ID:NHeiDHfzo

少しだけ、彼を思い出して涙目になります。

こんなんじゃいけないのに、いけないのに目の前の大人に甘えたくなる。

以下略 AAS



17: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:14:31.46 ID:NHeiDHfzo

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以下略 AAS



18: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:15:08.55 ID:NHeiDHfzo

「いやー、乙女してるねぇ」

「お、おとめ…?」

以下略 AAS



19: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:15:47.31 ID:NHeiDHfzo

びっくりするくらいの声がでて、一息遅れて気がつきます。

よく考えてみたらガマンする必要なんて有りません。

以下略 AAS



20: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:16:19.81 ID:NHeiDHfzo

「ほれ、これ」

「え?」

以下略 AAS



21: ◆DHNuciJlWE[saga]
2017/07/14(金) 20:17:16.58 ID:NHeiDHfzo

「あいつ、ヘタレだから」

「へ、へたれ……?」

以下略 AAS



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