28:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/15(土) 20:55:04.84 ID:+eTeNEs7O
夕闇どきに作業を終え、帰っていく朝からの勤務だった面子を見送った。夜勤のために来た社員に引き継ぎを済ませて簡単な指示を残す。
プレハブからバッグを持って出ると、彼女は引き戸の横の壁にもたれ掛かりながら山あいに沈みかけの太陽を眺めていた。
黄昏の柔らかなオレンジが、揺れる金髪に照り返っていた。幻想的だった。
彼女はよく化粧をして出勤してくるが、だいたいは汗で落ちてしまう。
退勤どきはすっぴんに近い。それでもやはり、顔立ちも整っているんだな、と思えた。
「あっ、親方。おつぽよ〜」
そんなことは思ったって言いはしないが。
彼女と二人、いつものようにコンビニへ。
やはり相談内容が胸に引っかかっているのか、いつもよりも軽口の弾まない道中だった。
着いたコンビニでは冷たい缶コーヒーを買った。
「ゴメンね、時間もらっちゃってさー」
謝ることはない。こうやって話すのはいつものことだ、何も変わらないだろう、とおどけた調子で言った。
「あはっ、ありがとちゃん☆
……そーだん、なんだけどー……」
髪をいじったり、鼻の頭をかいたり。なんとも言いづらそうにゆっくりと彼女は口を開いた。
「あのー……誰か、ってゆーのは内緒だけどね? そのー……」
何度も言い淀む彼女を急かさずに待つ。表面は冷静を装っていたが、内心はやめたいと言われたらどうしようかと冷や汗をかいていた。
しかし、衝撃はそんな心配とは明後日の方角から飛んできた。
「……こ、告白? されたっぽいん……だけど」
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