ライラ「水平線」
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10: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2017/07/17(月) 21:59:53.08 ID:b3owXeO0o

「アイスでございますか」

「アイスでございますよー」

二つくっついたコーヒー味のフローズンスムージーだ。ぺきり、と分けて吸い口を開ける。

「はい、ライラさんのぶん」

「おぉー、ありがとうございますです」

声こそはのんびりしたいつもの調子だが、ぱちくりした目がどうにも嬉しそうだ。

釣り竿を持ち直し、二人並んでアイスを吸う。冷たくて甘い。

ライラさんが夢中になる理由がよくわかる。

「おいしいでございますよー」

「うん、おいしいな」

アイスを食べながら水平線を眺める。

コンクリートにぶつかった波が跳ね返って、水平線に向かって流れていく。

遥か遠くから来たかもしれない波が、また遥か遠くへたどり着くのかもしれない。



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