アナスタシア「流しソ連」 神崎蘭子「そうめんだよ」
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20:名無しNIPPER[saga]
2017/08/05(土) 12:38:23.97 ID:OmBVDc6xo

 「手際が良いですね、アーニャさん」

 「ふふっ……ニェート。パパには敵いません」

ふと、アーニャはロシアに居た頃を思い出しました。

教会の玉ねぎ頭。
喉を焦がす琥珀色。
響き渡る発砲音。
熊のように大きな背。

どこか遠くを見つめる彼女へ、肇は密やかに笑いを零しました。
我に返ったアーニャが、照れくさそうな様子で頬を掻きます。

 「本当に、ご両親が大好きなんですね」

 「……ダー。パパとママが居なければ、私は今、ここに居ませんから」

二人は年相応の可愛らしい笑みを浮かべ合いました。
その合間にも、肇はよく研がれた剣鉈で、アーニャは手入れの行き届いた愛用のナイフで。
あっという間に竹は解体され、綺麗な樋へと生まれ変わります。
妙に鮮やかなその手際を眺めながら、乃々はただホースを抱えて震えていました。


 「我こそ流氷の天使!」
 (アイス、買って来ましたー!)

 「お疲れ様ー。あたしこれね。はいこれ」

蘭子が現れるやいなや、周子は袋の中からみぞれを掬い上げました。
同時にやや多めのお駄賃を握らせると、作業風景の見学へと戻ります。
上手いやり口でした。これで奏と紗枝以外はなかなか文句を付けられません。
いま、奏と紗枝が屋上へ顔を出しました。


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