236: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/07(木) 15:13:51.41 ID:y5a/8HOy0
 更なる追撃が来るのではないかと身構えた我が輩たちだが、幸い【Ball】の編隊はMi-28の撃墜で戦果としては幾らか満足したらしく再びトゥロマ川の方へと飛び去っていった。 
  
 (#ФωФ)「対空警戒と深海棲艦の新手に引き続き注意を続けろ!グルージズェ、負傷者の様態は!?」 
  
 「左腕が完全に断裂、出血多量!物陰に運び治療します!」 
  
 (#ФωФ)「バークマン、貴様も治療の手伝いに回れ!少なくとも救護のヘリが着くまでは保たせるようにしろ!」 
  
 「Yes sir!!」 
  
 周囲への警戒は切らさぬようにしつつ、即座に被害状況の確認と部隊の立て直しに移る。また、飛び交う無線に耳を懲らして港湾部全体の戦況把握も忘れない。 
  
 《敵の空襲により負傷者3、死者1!後送許可を求む!!》 
  
 《此方皐月、敵艦載機の空襲で二名重傷!一回護衛しつつ下がるよ、ごめん!!》 
  
 《こっちも二名やられた、補充人員は送れるか!?》 
  
 ( ФωФ)「……チッ」 
  
 攻勢自体が止まったわけではないが、死者ではなく“負傷者”が多数出たことによって幾つかの部隊がその護衛や治療のために動きを縫い止められている。少なくとも鈍化に関しては避けることができそうも無い。 
  
 「……申し訳ありません。青葉と叢雲さんが着いていながら」 
  
 「失態ねほんとに……あんなに撃墜できないだなんて」 
  
 ( ФωФ)「爆装・雷装無しであの数を揃えた【Ball】単体編成などいかに貴様らとて止められる方がどうかしている。気に病む必要は皆無である」 
  
 対空格闘能力に優れる【Ball】は、【Helm】はおろか艦娘達の一部戦闘機すら上回る空中機動性を誇る。通常は戦爆連合として爆装ないし雷装した【Helm】の護衛として現れることが多いため、その脅威的な回避運動能力を駆逐艦や重巡が直接体験する機会はあまりない。 
  
 ただ、ひとたび交戦となればこの通り“海軍”の艦娘でも地上・海上からの迎撃は容易ではなくなる。球体という特殊な形状故に狙うこと自体が難しい上、装備が機銃のみの場合兵装重量による動きの制限もないため軽やかな動きで飛び回る【Ball】を1隻や2隻如きの弾幕で根絶やしにすることはほぼ不可能と言っていい。 
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