239: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/07(木) 21:05:07.90 ID:y5a/8HOy0
 《西村艦隊の本当の力……見せて上げる! 
  
 主砲、副砲、撃て!!》 
  
 《気合い、入れて、行きます!! 
  
 撃ちます、当たってぇ!!》 
  
 《遠慮はしない─────撃てェーーーっ!!!》 
  
 総計40基を越える戦艦部隊の砲塔が、一斉に唸った。35.6cm連装砲が、41cm砲が、そして46cm三連装砲が、次々と火を噴き砲弾を吐き出す。 
  
 撃ち上げられた砲弾は上空へと夜気を切り裂いて、進軍してきた敵編隊の進路上に躍り出るようにして駆け上がった。 
  
 『『『『──────!!?』』』』 
  
 ぐわら。 
  
 編隊の先鋒が艦娘達の頭上に、そして主砲弾頭の間近まで迫った瞬間、そんな音を残して百を優に超える砲弾が一斉に空ではじけた。砕けた弾頭からは更にごま粒のように小さな子弾が、一発当たり996個という途方もない物量でばらまかれる。 
  
 『『!!!?!?!?』』 
  
 『『『───………』』』 
  
 『『ッッッッッッ!!!?』』 
  
 撒き散らされた極小の焼夷弾は、次々と敵航空隊に付着し燃え上がる。これが一発や二発なら大した損害にもなるまいが、なにせ40基の主砲弾による一斉射。 
  
 さながらそれは、空に築かれた火炎の防壁だった。火に巻かれた敵機は墜落し、みっちりと隊伍を詰めて押し寄せてきたため互いにぶつかり合って更に燃え広がり、隣へ、また隣へと燃え移っていく。 
  
 編隊の前衛数百機が瞬く間に火達磨になる。陣形が乱れ、後続機が前衛の友軍機を避けようとてんでんばらばらに逃げ惑う。しかしながら三式弾による子弾の飛散範囲は思った以上に空間を圧迫しており、自然敵機は幾つかの大きな塊に分かれてその空間を大きく迂回する羽目になった。 
484Res/548.20 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
書[5]
板[3] 1-[1] l20