270: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/09/15(金) 00:51:28.91 ID:6MJtYdP50
 (メメФωФ)「統合管制機、ベルゲンより出撃した敵の大規模航空隊は今どの位置まで迫っている?」 
  
 ('、`;川《管制機よりCaesar、たった今大本営より連絡がありました》 
  
 心配するだけ無駄なキチガi………ゴホン、最上の信頼を置ける艦娘についてこれ以上考えても仕方ないと、通信を今度は管制機に繋げる。 
271: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/16(土) 09:07:27.46 ID:7vrOjZjGO
 市街地の各所からは艦娘と深海棲艦双方が撃ち鳴らす艦砲射撃の轟音に混じり、時折それより遙かに軽い戦車の砲声が聞こえてくるようになった。しかもそれは時を追うごとに数を増やし、鳴り響く間隔は短くなっていく。 
  
 それらの音源がおそらくは、空挺戦車2S25 スプルートSD。小規模の艦娘戦力しか持たないロシア連邦軍が沿岸部機動防御の切り札として開発した最新鋭兵器である。配備開始は今年の春からで生産台数は決して多くないはずだが、砲火の量からして投入された数はおそらく50は下るまい。 
  
 空母艦娘が未だに配備されない中での敵航空隊迎撃に、精鋭部隊と新兵器の惜しげも無い投入。ムルマンスク死守に掛けるロシアの本気度が伺えた。 
272: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/16(土) 23:14:37.74 ID:7vrOjZjGO
 undefined 
273: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/16(土) 23:16:53.27 ID:7vrOjZjGO
 後方で補給を終えたらしき4機のF-35が、猛然と頭上を飛び去っていく。彼らが低空から上昇しつつミサイルを放つと、4発の銀槍は巨大な雷雲のように渦巻く敵艦載機の群に突き刺さり爆炎を上げる。 
  
 ……持ち堪えてはいるが、此方の航空隊の弾薬補給が追いつかず徐々に波状攻撃の間隔が間延びしつつある。正面を食い止める火炎の壁についても、あと五分と撃ち続ければ三式弾は切れるはずだ。 
  
 ここにベルゲンからの臓増強部隊が到着すれば、間違いなく押し切られるな。 
274: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/17(日) 00:33:53.97 ID:g+HEhH2qO
 狩りが、始まった。 
  
 『─────!!!?』 
  
 『『!??!?』』 
275: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/18(月) 23:12:45.12 ID:a0En00hS0
 undefined 
276: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/09/18(月) 23:13:51.51 ID:a0En00hS0
 三式弾と空対空ミサイルによる十字砲火で大きなダメージを負っていたとはいえ、未だ此方を遙かに上回る規模を保っていた敵の艦載機群。それを、かつて中国や太平洋の大空を舞ったレシプロ機が尋常ならざる数的不利を物ともせずに食いちぎり蹂躙する。 
  
 四分五裂した敵群体はムルマンスクの空から逃れようと試みた。F-35やA-10は友軍相撃を避けるため攻撃を停止して包囲網を解いており、三式弾も一時的に打ち止めとなっている。空間は広く空き、離脱軌道を取ることは難しくない。 
  
 が、ゼロ戦を始めとした帝国海軍が誇る名機達はそれを許さない。 
277: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/18(月) 23:45:01.07 ID:a0En00hS0
 ………百数十メートル彼方の唇の動きを読める程度には我が輩は自分の視力に自信があるが、流石に“海軍”側の航空隊の損害の有無は目測で判断することは難しい。 
  
 しかしながら逆説的にいえば、“仮に出ていたとしても目算では気づけないレベルの損害”しか受けていないとも言える。 
  
 (メメФωФ)(僥倖であるな) 
278:名無しNIPPER[sage]
2017/09/19(火) 11:01:56.09 ID:JaH+YxAA0
 おつおつ 
 頭が良すぎるからこそ慮外の事に足元を掬われたりするしなあ… 
279: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/20(水) 20:04:28.29 ID:zaZUfR/t0
 (メメФωФ)「クソとは心外である。我が輩は“海軍”准将としての職務を全うしているに過ぎん」 
  
 ( T)「あぁそうだろうな准将殿」 
  
 ぴくりと、奴が担いでいる矛が揺れた気がした。 
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