341: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/04(水) 22:15:41.84 ID:KBfEQrQA0
 数秒間、沈黙の中にパネル操作の電子音だけが響く。それは一際高い沸騰したやかんみたいな音を残して終わりを告げ、開く扉の隙間から空気が逃げる「プシューーッ」という間の抜けた音が後に続いた。 
  
 そして扉の中から漂ってきて頬を撫でたのは、背筋が思わず震えるような外と遜色ない温度の“冷気”。 
  
 「Clear!」 
  
 「異常なし!敵影無し!」 
  
 (,,;゚Д゚)「………」 
  
 (; ̄⊥ ̄)「………」 
  
 中を覗いた時雨達が異口同音に叫ぶが、俺とファルロは扉を挟んで浮かぬ表情で顔を見合わせる。 
  
 (,,;゚Д゚)(………室内で空調が効いてない?) 
  
 (; ̄⊥ ̄)(階段もそうだが、電力が生きているのに何故……) 
  
 あぁクソ。この手の不吉な予感は基本的に当たると相場が決まっている。 
  
 だが、突入せず退却という選択肢は残念ながら皆無だ。 
  
 (,,#゚Д゚)「行くぞ!突入!!」 
  
 (# ̄⊥ ̄)「Вперёд!」 
  
 柄にもなく胸の内に沸いた不安を押し潰すように、ファルロと共に入り口を跨いで地下へ踏み込む。 
  
 電灯一つまともに点いていない廊下が、冷たい風を吹かせて俺達を出迎える。 
  
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