99: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2017/08/10(木) 00:54:03.30 ID:c5e7bYk30
  
 * 
  
 「君の隣に立てたこと、アイドル渋谷凛のプロデューサーとして在れたこと、その日々の全てを誇りに思う」 
  
 私の家の前に着いたとき、プロデューサーがそんなことを言った。 
  
 「……うん」 
  
 掠れた声で返す。 
  
 「一緒に過ごしたこの何年かは、人生で一番ってくらい楽しかったよ」 
  
 「うん」 
  
 「今までありがとう」 
  
 数秒の抱擁。 
  
 涙でスーツをぐしゃぐしゃにしてしまったのに、プロデューサーは何にも言わないで、私の頭を撫でてくれた。 
  
 「私こそ、ありがとう。……またね」 
  
 もう一度、ぼろぼろと涙をこぼしながら頭を下げて、車を降りた。 
  
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