晩夏にほどける
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34: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/08/24(木) 22:43:40.06 ID:fLR/Lwcb0
「優しくて、話が面白くて、一緒にいると安心できて」

「なんとか気持ちを伝えられたらって、思っとうと」


「ばってん、うち、そういうん苦手やき、困っとうたい」

「普通に話す分には、できるのに」

 てのひらに収まるほどの大きさの観葉植物に水を差すように、グラスは穏やかに傾けられる。
 ほどなくして、からんと音がして、融けきれなかった氷が自分の存在を主張した。

「おかわり」


 新しく用意されたグラスを受け取ると、それには口を付けず、彼女は俺の方を見た。

 その視線には、信じられない量の感情が渦巻いているようにも、たった一つの意思を宿しているようにも見える。
 すぐに彼女は顔を綻ばせて、一度だけ眉根を上げた。


「どうしたら、振り向いてもらえるやろか」



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