速水奏「ピローキス」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/27(日) 19:48:02.19 ID:PvjaGSFXO
「プロデューサーさんったら、すっかり私に夢中なんだから……。ふふ、恋人としては合格だけれど、プロデューサーとしてはどうなのかしらね。そんな……私以外の子を、見てあげられなくなっちゃって……」


 プロデューサーさんが私のことを好きでいてくれている。私に夢中になってくれている。それはきっと本当。それを知っているというのも本当。半分は本当。

 けれど残りの半分は嘘。真実でも、本当じゃない。

 言葉にされなくてもいい。そんなこと思ってない。してほしい。言ってほしい。「好き」だって「大好き」だって、何度でも言ってほしい。

 夢中になっている。それはきっと本当で、でもそれだけじゃない。夢中なのは私もそう。それもきっと、私のほうがずっともっと夢中になっている。溺れてしまって離れられないのは、プロデューサーさんよりもむしろ私。

 仕方のない人。いけない人。そんなふうに言いながら、でも真実そうなのは私のほう。仕方ないのも、いけないのも。


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