28:名無しNIPPER
2017/09/11(月) 10:54:00.38 ID:8WPegUIn0
苦笑いしながら、店を出る用意をする。店を出る前にカウンターで掃除をしているマスターに声をかけた。
「ありがとう、マスター。……あのさ。コーヒー、美味かったよ」
「て、天真くん……!」
慣れないことを言って照れくさくて顔を背けてしまったが、きっと涙腺の弱いマスターのことだ、
コーヒーの味を少しでも伝えようとしてくれた情熱とやさしさは、私だって理解している。
……ここを離れても、たまにはここに来てやろうかな。
タプリスたちと再開の約束をして、手を振って別れる。姿が見えなくなるまで大きく手を振って名前を呼ばれるのは流石に恥ずかしい。
騒がしくて、ちょっぴりお節介な後輩たち。
あんまり先輩らしくなんてできなかったけれど。
「まあ、たまにはこういうのもいいか」
なんて思いながら、とぼとぼと我が家への帰り道を歩くのだった。
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