10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/07(木) 17:00:55.07 ID:+EtVRVLso
向日葵「……櫻子?」
櫻子「…………」
向日葵「……ちょっと、聞いてます?」つんつん
櫻子「へっ!? な、なに!?」
向日葵「どうしたんですのさっきから。その子の話になったら急にそわそわしちゃって……喧嘩別れでもしちゃったんですの?」
櫻子「」ぎくっ
自分で適当に言った言葉だったが、櫻子の反応からして図星をついてしまったようだった。
そして同時に思い出す。
去年の冬……まだ櫻子が転校してくる前、バレンタインデーの前日に、偶然目にしてしまった櫻子の向こうでのお友達のこと。
花子「……ちなみにその人、結構可愛かったし」ごくっ
櫻子「そ、それ関係ある!?」
花子「関係って、何に?」
櫻子「いや、だから……それ今言わなくたってよくない!?」
花子「何を動揺してるんだし。ひま姉はこんなことくらいで櫻子なんかに焼きもち焼かないし」
櫻子「ちょっ! だからそういうことを言うなー!!///」
はっきりと顔まで見たわけではなかったが、あのときに見た光景は、そのインパクトの強さで未だに妙に忘れられなかった。
駅前のオブジェのすぐそばで、櫻子にもたれかかって泣いていたサイドテールの女の子。偶然通りかかった私は、それを見て思わず硬直してしまったっけ。
おそらく今言っている “友達” とやらは、その子のことを指しているのだろう。喧嘩別れという言葉もなんとなくしっくりくる。
向日葵(櫻子の……友達)
あのとき櫻子は「付き合ってください」と言われていたのだと、後から教えてもらった。すでに私の高校への編入試験を目前に控えていたので、その告白は断ることとなってしまったようだ。
夏休みに家に遊びに来たということは、やはりその子と櫻子は、一年を通して近い関係の友人同士だったんだろう。
私が高校で新しく作った友人たちと櫻子は、転校してきてからの数日であっという間に友達になっていたが……私は中学卒業以降の櫻子の友好関係をまだよくわかっていない。
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