輿水幸子「ボクのなつやすみ」
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20:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 17:46:26.29 ID:4sMggCAno
おみやさんでひとしきり遊んだ後、雪美が行きたい場所があるというので幸子と祖母は一緒に付いて行った。

道路を挟んで向かい側に小さな川があり、その土手を上流へのぼって行くとやがて広い河原が見えた。
雪美の後に付いて河原へ降りて行く。
足元はごつごつした小石が敷き詰められ、おまけにここは日差しが直に当たって暑かったけれども、小川のせせらぎと共に周囲の雑木林から吹いてくる微風が汗をやさしく冷やすのが心地良かった。

「さっちゃんや、なるべく下の方へは行きなんなや。流されたら大変だて」

「分かりました……って雪美さん、ちょ、引っ張らないで」

「幸子……こっちも……写真……」

雪美に小川のすぐほとりまで連れて行かれ、そこで彼女が急に川面に向かってしゃがみこんだので何事かと思い肩越しに覗いてみると、大きな石をひっくり返してそこへ手を突っ込んでいる。

次の瞬間、雪美が差し出した手には小さなサワガニが握られていた。

「あっ、カニ!」

幸子は思わず素っ頓狂な声をあげて喜んだ。
幾多のバラエティ番組を経験した幸子といえど野生のカニを間近で見るのは初めてだったのである。

「カメラ……撮って……」

幸子はあわててスマホを取り出してシャッターを切った。


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