17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/12(火) 06:56:15.75 ID:UqQkvsyl0
「凄い、本当にシアターデイズが動いてる!」
「……じゃ、問題は解決できたかな。私、休憩してもいい?」
「ミリシタ……。パソコン版も出ていたのね」
感心している千早の耳に、春香の言葉は届いていない。
ふと時計を見れば休憩時間も後五分。
「五分しかないってワケじゃない。まだ、私には五分も時間が残ってる……!」
フルで一曲歌える時間である。メドレーだったら四曲五曲。
大いなる仕事をやり遂げた春香はフラフラと、今となっては遠い昔の出来事のように思える
捨てられたチョコ菓子と雑誌の入ったゴミ箱の前へと歩いて行き……。
「……あぁ」
ため息一つ、天を仰ぐ。室温に晒され続けたチョコ菓子は今や無残に蕩けきり、
ファッション雑誌の表面にねちょりと染みを作っていた。まるでそう、涙が濡らした跡のように――。
「そんな綺麗なもんじゃないやいっ!」
愚痴を一声腕振り上げて、春香はえいえいと拳を振った。
「春香っ!」
それと同時に、聞こえて来たのは隣の千早が喜ぶ声。
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