速水奏「裸で重なる一時」
1- 20
9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/09/13(水) 21:41:53.44 ID:t50tah/9O
「……そういえば、ねぇ、プロデューサーさん」


 思えば今までのこれ。こんなどうしようもないほどの感覚。これを私へ感じさせてきたのは、全部プロデューサーさんだった。ライブの時、誰よりも瞳を輝かせて喜びながら私を抱きしめてくれた。撮影の時、どんな小さな一瞬も逃さずにまっすぐ私のすべてを見ていてくれた。私にこんな感覚を与えてくれるのは、プロデューサーさんだった。

 プロデューサーさんはたくさんをくれた。こんな感覚も。数えきれないくらいの初めても。私が叶えたいと願う未来の望みも。

 それを思って、そして改めて実感する。

 やっぱりプロデューサーさんは私の唯一の人。私の初めての人で、私の最後までの人。

 それを強く心の中で確かめて。だからふと言葉を投げ掛けてみた。


「プロデューサーさんって初めてなのかしら。もう女は知っているの?」


 自分にとっての初めての人。初めてはこの人でないと嫌だ、と願う相手。そのプロデューサーさんが、果たしてどちらなのか。

 初めてなのか、そうでないのか。……これまでずっと一緒に過ごしてきて、その答えがどちらなのかはほとんど私にとって明白ではあるのだけれど。

 それでも聞いてみた。察するのではなくて、言葉でちゃんと聞いてみたかったから。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
15Res/16.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice