11:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:18:14.63 ID:KS3A+iW2O
「Pさん、あたし……」
「分かってる。気づいてやれなくて済まなかった」
本当に済まなそうに言うプロデューサーに、今更ながら罪悪感を覚える。何もプロデューサーが悪いことをしたわけじゃない。奈緒が勝手に劣等感を抱いて、勝手に飛び出して来ただけだ。そう謝られると逆にこちらが申し訳無くなる。なんだかいたたまれなくなった奈緒は、ちょっとプロデューサーを見るのが恥ずかしくなってそっぽを向きながら言った。
「……ごめん」
「奈緒が謝る事じゃないさ。もう日も暮れてきた。通りに車を停めてあるから早く帰ろう」
「うん」
こくんと頷く奈緒。それを見て凛とプロデューサーは安堵の笑みを浮かべている。
全てのもやが無くなった訳では無い。けれど、自分を心配してくれる人がいる。優しく抱きしめてくれる人がいる。迎えに来てくれる人がいる。そんなみんなとユニット活動をやっていける事を改めて幸せだと感じた。
そんな幸せに比べれば、自らの劣等感なんて瑣末なことなのだと感じた。
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