神谷奈緒「晴れは雨があってこそ」
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4:名無しNIPPER[saga]
2017/09/16(土) 23:11:51.98 ID:KS3A+iW2O
「でもっ、ライブまではもう日が無いんです!ここでマスターしておかないと……」

「マスターしておかないと、なんだい?」

食い気味に質問され、少しムッとしながら答える。

「ライブで情けない結果になるかもしれない!せっかくあたし達のライブを楽しみに来てくれたお客さんたちを、ガッカリさせてしまうかもしれないんです!」

思わず語気が強くなるあたしをトレーナーは冷静に見つめながら、口を開いた。

「あぁそうかい、理想は立派だ。しっかりとファンのことを考えている……流石はアイドル、と言ったところか。しかし、君は自分自身が見えていない。自分を満足させられないような人間に他人を満足させることが出来るか?」

「それは……」

言葉に詰まる。そもそものこのトレーニングも、いわば他のトライアドメンバーに対する劣等感のようなものから始まっていると言ってもいいだろう。ただガムシャラにレッスンを続けていてもどうにもならないのは百も承知だった。だが、こうしてレッスンでもしていないと焦燥感にあてられ何も手につかなくなってしまうのだ。重症だと自分でも感じた。


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