【ミリマス】歌織「分かってます。音無さんにはナイショですね?」
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6: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/20(水) 18:31:46.45 ID:aEft37UE0

チラリと隣に目をやると、そこには肩を落とした彼の姿。
力なく垂らした両手から、馬券が涙のようにこぼれます。

「二着……。この組み合わせは買ってねぇ」

「全部、外れちゃいましたか?」

「次! 次のレースで取り返す!」

「すっからかんじゃないんですか!?」

驚く私、見返す彼。デジャブを感じられたせいか、
私には彼が次に口にする言葉が手に取るように分かりました。

「歌織さん!」

「……お金ならお貸ししませんよ?」

「そこを何とかこの通り!」

言うが早いか、彼はその場で美しい土下座を披露なさいました。狭い場所なのによくやります。

周りの目なんて気にせずに、必要とあらば頭を下げられるトコはとても感心しますけど
(実際ふだんのお仕事でも、彼はしょっちゅうペコペコしています)

相手は取引先でもなんでもない、ただの一人の女なワケで。

「お、なんだなんだ?」

「ケンカか何かか?」

「兄ちゃん土下座が決まってるねぇ」

当然、ざわざわしだす周りの人。彼は恐らく、この空気を狙って頭を下げたんです。

要するに一種のパフォーマンス。私が居心地悪くなって、
「分かりました、少しで良いなら貸しますから」なんて折れるのを待ってるつもりでしょうが……。

残念ですけどプロデューサーさん? 私はこういう時こそ落ち着いて、
毅然と振る舞うように教えて貰っているんです。


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