ルビィ「──気の引ける誕生日。」
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3: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/09/20(水) 23:50:51.16 ID:O2RiTAsto




花丸「ルビィちゃん、明後日のことなんだけど……」


梨子ちゃんのお誕生会の帰り道、花丸ちゃんが声を掛けてきた。


ルビィ「明後日?」

花丸「えーっと……その」


明後日って何かあったっけ……? えーっと……


ルビィ「あ」


そっか、明後日って


ルビィ「明後日は……ルビィも何かしようかな」

花丸「え?」

ルビィ「だって、お姉ちゃんだって、この日は毎年忙しそうにしてるし……」

花丸「い、いや、そうじゃなくてね」

ルビィ「うぅん、いいの、花丸ちゃん」


我が家では


ルビィ「──そういうものだから。」





    *    *    *





網元──昔、漁師町には漁師さんたちの道具を管理する、漁師さんたちの……元締め? リーダーみたいなお家がありました。

それが網元です。

今でこそルビィのお家の前には駐車場があったり、観光案内所があったりするけど、本当に網元さんが漁師さんたちを取り仕切っていた時代には、ここ内浦では

このお家──黒澤家から、皆で地引網を持って漁に繰り出していたそうです。

えーっと……前お姉ちゃんから聞いたんだけど……朱印状?

たぶん、そんな感じの賞状……なのかな? 徳川幕府からのお墨付きでここ漁師町を任されていた、貴族……? あ、日本だと豪族……だっけ?

って言われるほど、すごい家系みたいで。

その名残で網元制度がなくなった今でも、大きな影響力を持ったお家の一つとして、ここ内浦を取り仕切っています。

そういう歴史を踏まえた上で、子供の頃からお姉ちゃんから言われてきたこと


ダイヤ『黒澤の娘たるもの、いつも毅然と振舞うのですよ、ルビィ』


毅然と振舞う……って言われてもピンと来ないけど、要はお姉ちゃんみたいにしっかりしていなさいってことだよね。

だから、ルビィは尊敬するお姉ちゃんに追いつこうといつも必死です。……必死にやっても、要領の悪いルビィには全然追いつけそうにないんだけど。

でも、だからこそ、ルビィに出来る範囲のことはちゃんとやらなきゃって思うんだ。

お姉ちゃんにばっかり、大変な思いさせて、ルビィだけが楽しいのは……ちょっと気が引けちゃう。

だから、毎年、この日は……ルビィは何かを頑張ろうとするんだ。






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