ミリオンデイズ
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2: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/09/24(日) 18:57:49.22 ID:Hh3q65G80

「面白いわよ?」

 読んでいた本から顔を上げると、静香は優しく未来に微笑んだ。

「月刊『麺ズー』十月号の、"打ち立て茹でたて麺処"特集」

「……そんなの読んでお腹空かない?」

「すごく空くわ」

「じゃあ今、静香ちゃんは何か食べたいんだ」

「その『食べたい』、私じゃなくて未来なんでしょ。……でもそうね、もうすぐお昼になっちゃうし」

静香が本を閉じ席を立つ。それを見上げる未来の表情は、
散歩に出掛けるのを待っている犬にそっくりだ。

つまり、望み通りの答えが静香から帰って来るのを待ってる顔。

そんな未来に、静香は「全く、しょうがない子ね」といった様子で小さく肩をすくめると。

「それじゃあ未来。情報もちょうど仕入れたし、紹介されてたこの近くのお店に行ってみる?」

「それってもしかしておうどん屋さん?」

「当然!」

未来の問いに答える静香。
その顔には「愚問よ」という言葉がデカデカと書いてあるのだった。

しかし、未来はしゅんと顔色を曇らせて。

「えぇ〜!? またおうどん〜?」

不満たらたらぶーたれる。

「たまにはカレーライスとか、ハンバーガーとかも食べたいよぉ〜!」

「未来! そんな高カロリーで偏った食事ばかり摂ってると――」

「おうどんばっかりの静香ちゃんに、それだけは私言われたくないっ!」


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