ことり「あの子のことが忘れられない」
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7:名無しNIPPER
2017/10/01(日) 01:24:19.75 ID:/zESL2O40
しかも、私は逃げた。あの場でもっとも取ってはならない、間違いなく最低最悪の選択肢。

「あなたは最低です!」と、幼馴染にひっぱたかれる程度では到底済まない、犯した過ちの大きさを自覚するたび、恐怖ばかりが大きくなっていく。

頬を伝う涙は、本当は私が流していいものではないんだろうけど。



気がつけば自宅についていた。

未だに震えが治まらない体を、覚束無い足でなんとか部屋まで運び、着替えもせずベッドにうつ伏せに倒れ込んだ。

職場には休むと連絡をいれた。とてもじゃないけどまともに仕事できそうもない。

ことり「ぅぁ……ぁ……」

顔を横に向けたまま、声とも呼べない声で呻く。

本当は叫びたかった。濁りきった感情を、すべて声にして吐き出したかった。

けれど、肥大化した感情の塊は体のどこかにつっかえてしまっていて、僅かに絞り出すのが精一杯で。

それでもぽつねんと過ごす時間に、私の思考は少しずつ色を取り戻していった。



取り戻したのは、恐怖に蝕まれたどす黒い色ではあったけど。

ことり「あの子、し……だ、大丈夫、だよね……?」


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